2013/11/18

by プロ野球ニュース

『来年の方が大物揃い』と巨人がFA戦線に慎重論

西武からFA宣言した片岡治大内野手(30)と広島からFA宣言した大竹寛投手(30)のダブル獲得を有力視されていた巨人で慎重論が噴出している。

今オフ、巨人は先発投手補強を最優先に掲げ、大竹がFA宣言した場合には即、獲得に動く方針で一致していた。もちろん、片岡の調査もしていた。かつて巨人が狙った獲物を逃したことはほとんどない。原沢球団代表兼GMは「『あの人にいきます』と、つまびらかにする段階には来ていない。“連立方程式”の中で考えないといけない」と慎重な構えだが、球団内でダブル獲得はほぼ確実とみられていた。

ところがFA交渉が解禁された15日以降、楽観ムードが徐々にしぼみ始めた。理由はマネーゲームの過熱だ。大竹と片岡の獲得を目指す球団が意外にも多く現れ、さらに巨人の予想を超える好条件をライバルが提示しているためだった。

大竹獲得に自信を深めていた関係者も、ソフトバンクが4年総額最大10億円のド派手条件を提示したという情報には耳を疑った。「ローテの駒として欲しい投手ではあるけど…。ITマネーはすごいねえ」と目を丸くしている。片岡に対しても同じだ。この日巨人に先駆けて交渉した楽天は、3年総額5億円に迫る条件を提示した模様。大竹も片岡もランクはB以上で獲得すれば人的補償が発生する。そのため球団内部からは「高すぎる。人を出してまで獲るべきなのか」との声が上がっているという。

巨人がマネーゲームで腰を引くなど、今まではなかったこと。だが、弱気な姿勢の裏には「本気を出すのは来年」(球団フロント)との事情がある。実は来季国内FA権獲得を予想される選手の方が、今年以上にビッグネームだらけなのだ。

オリックス・金子、西武・岸、中村、炭谷、楽天・嶋…。いずれも巨人としてはよだれが出る名前ばかりだ。「今年マネーゲームに参加して大金を払って大竹や片岡を獲っても、じゃあ来年はいくら出せば良いのかということになる」(同)と“FAバブル”拡大への心配が、二の足を踏んでいる理由なのだという。

今オフの巨人が慎重に他球団の動向を見極めているのは、あくまで先を見据えているから。もちろん、争奪戦から簡単に降りるつもりはないが、本当の勝負は来オフ。出遅れているように見えても、その裏には盟主のしたたかな計算があるようだ。(金額は推定)

by東スポweb

以上 木村でした。