2020/06/13

by 徒然モノクロ

本を読み
音楽を聴き
散歩をする
朝でも昼でも夜でも
一人分の料理をして
一合の酒と一冊の本があればそれが最高の贅沢

 

 

 

自粛期間中
とても時間はゆっくりで
でもどこか心は焦ってはいたりして
不思議な時間でした

 

冒頭の最後の一行はN山パパからすすめられた本

『無名』 沢木耕太郎

からの一文です
死とは人生とは生きるとは
語り部はノンフィクション作家の沢木さんです
深夜特急を愛読してたんですけど
やっぱり沢木さんの文章、なんか好きです

父に対してこれだけ語れるのが素直にすごいと思うと共に
親だから親のことを知っていると無意識に子供は考えてしまいがちじゃない?
親のことどれくらい知ってますか?

有名になればなるほどその生涯は知れ渡りますが
無名となるとその人生は誰に語り継がれるのだろうか
語り継がれる必要もないんだろうけど

沢木さんが文字にしたことで無名は永遠を生きるのでしょう
それはいい
親が自分にとって無名でなにもわからないまま知らないまま終わるのは
少し嫌かもしれない、それでいいかもしれない
とりあえず読み終えた後、親父に電話しましたね

自分のことは誰にも知られることも語られることもないだろうけど
親のことはもっと知っておくべきかもしれない
時間はあるようでないなんてことは誰でも知っている

 

 

 

というわけで、久しぶりに読んだ本のレビューを書いていきたいと思います
主観なのと
書くのはあまり得意ではないのでネタバレっぽくなったらごめんなさい

前回のブログでメールを募集したんですけど
6通ももらいました!
ありがとうございます!
ほんとうれしかったです!

なんか、自分でも驚くくらいうれしかったです
光の速さで返信の文章を書きました

中江支配人がラインでメールを転送してくれるんですが(支配人は内容を読んでいません)
魔王中江からのラインをあんなに楽しみに待っていたのは人生で初でしたね
それくらいうれしかったです!

 

 

勧めてもらえた本は大体読み終わりました
どれもこれもとても良かったです!
まだ読み終わっていないのもあるのでそれは次回レビューします

 

 

 

ますはSigriswillさんからのオススメ

 


『ロゴスの市』 乙川優三郎

 

翻訳家のお話であり文学のお話であり言語のお話であり恋愛小説でもあります
始まりは昭和55年とかなんかそんなあたり
弘之と悠子は大学で知り合います
そしてそこから、永く尊く果てない言語の大海へと誘われていきます
日本語と英語 翻訳家と同時通訳 男と女
それらは地平線の彼方、悠久とも思える数々の言語と共に
時に絡み合い 時にすれ違い 時にぶつかり合います
一方が素晴らしい表現をするならば、もう一方はふさわしい言葉で迎え撃つのです

 

もうこれさ
俺の大好きなジャンルですよ
ドストライクですよ
あまり注目されない職業
小説にはしにくいような職業がメインな物語系
いいんですよねー
今回はまさかの翻訳家

 

翻訳家と聞くと僕は小野寺健さんが大好きでした
大学のとき図書館でふと手に取った『アイスクリーム戦争』という本を訳していたのが小野寺さんでした
どっかの小野寺とは大違いです

亡くなってしまわれたんですけど『遠い山なみの光』で有名ですね
ちなみに『心にのこる言葉』は全巻持っています
小説から切り取られた一行が英語と日本語とで書かれており、それを解説してくれます
ロゴスの市を読んで翻訳家たちが訳する一行の重みを知りました
だからこそ、小野寺さんはこのエッセイをだしたんだなと改めて気づきました
ちょっとまた読みたいわ、実家にあるんだよな、たぶん

 

さてロゴスの市
翻訳とは原作者に仕えながら日本語に淫し、その狭間でもがくことかもしれない
翻訳家たちは葛藤します
ただ彼らはその狭間の中から芸術的な訳文を創り出すのです
翻訳家も立派なクリエイターなんですよね

二言語の中で翻訳家たちはこんなにも葛藤し
そして戦っていたのか
自分はこう伝えたいという想いも
作者がこう伝えたいという想いを理解して伝えていかなくてはいけない
英語と同じように日本語という言語もまた無数にあり
文学も思想もそれぞれの言葉で生まれている
あまねく星々を紡いで、ある形をわかりやすくみせていくような感じなのかどうなのか

 

外国人が日本の小説で蒙虎弁やギャル語を翻訳するときどうすんだろかなんて考えると
翻訳マジ難関とか思いますわ

例えば変なキャラがいて
「TOPが始まってうれしみぴえんーZOOMでKPやるのももうオワコンやで」
って書いてあるのを渡部コーチに英語で訳してもらうとして
それを
「TOPが始まってとても嬉しくてまるで涙が出てしまいそうです。ZOOMで乾杯をやる日々もようやく終わりですね」
って訳すと意味が通じるけど、変なキャラがこんな丁寧な言い回ししたらキャラ崩壊ですよね
だからこれをどう英語に治してこのニュアンスをどう伝えるのかを翻訳家は考えるのです
やばくない?

 

翻訳家のお話であり文学のお話であり言葉のお話であってこれらはほんと良かったです、トリップした
ただ恋愛小説としてはいくつかの「?」が残ります
まぁそのへんも良さではあるのかな
言葉を操る二人がとても簡単な言葉で苦戦するとかなんだとかそういったことがうんぬんかんぬんで
まぁ正直恋愛の部分に関してはあまり共感も入り込むこともできませんでした

でも終わり方はとてもきれいです
「イライザ」ここね
読んだ方はここだよねこれ

文句なし素晴らしい小説です
勧めてくれてありがとうございました!

 

 

 

 

 

次もSigriswillさんからのおすすめです

 

 

 

 

 


『楽園のカンヴァス』 原田マハ

 

現代のストーリーの中で過去の出来事をある本を通じて
回想しながらその絵に秘められた謎を解いていく物語
1900年初頭のフランス、そこにはルソー、そしてピカソがいて
現在の世界にはその謎にせまる男女がいる

 

初マハです
クラシックが題材の小説はそこそこ読んでいるんですけど
考えてみればアート小説はそんな読んだことなかったですね
遠い昔に『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだくらい?てかあれは推理小説?
クラシック小説が好きならアート小説が苦手なわけないよね
一瞬で読み終わりました

 

ロッキーを見終わった人たちは帰り道みんなボクサーになっています
この本を読み終わった人たちはみんな美術館に行きたがるでしょう

とりあえずルソーの絵をみしてくれ
それ以上にピカソの絵をみしてくれ

 

とにかくキャラがいいですよね
ティムのことどんどん好きになっちゃうもんな
最初のレディファーストからもういいよね
佐々木コーチとかに絶対ないものだわ

アーティストはアートだけをみてるわけじゃないんですよね
生きとし生けるもの、自然の神秘と人の営みの奇跡を見つめ続けたからこそ
画布の上に唯一無二の楽園として描かれ得たのだといいます

 

ちょっと簡略して書きましたがこの一文が個人的に最高に良かったです
ほんと光の速さで読みきっちゃう爆発力がありますわ
謎解きは簡単でした
でも謎解きをメインにする話じゃないですからね

 

 

 

 

 

 


『高校事変Ⅰ~Ⅳ』 松岡圭祐

 

女子高生がとにかく大暴れします。メチャ強いです。
もうⅦ巻まででています。

 

もうね
疾走感がやばい
松岡さんの執筆のスピードもまぁヤバイ
自粛中だからこそこれね
大暴れよ、女子高生無双

 

第Ⅰ巻はそれこそダイハードです
学校にいるときに武装テロ集団が学校を占拠して
たまたま教室にいなかった主人公とその仲間がうんぬんかんぬんしてテロリストと戦っていく
そんな感じなんですけど、なんですけどね
妙にリアルなんですよね
相手を倒して武器を奪おうとするんですけど、武器の管理を第一に敵は考えていたり
スマホなどうまくつかってうんぬんかんぬんしたり
やってることめちゃくちゃなんだけど、どこかリアルなんですよね
その描写がまぁいい!
銃や武器の説明が無駄にかっこいい

 

そして戦闘シーンね
終盤とんでもないことになるんだけど
それがまぁかっこいいかっこいい
そりゃ俺もFPSデビューしてまうわ
この作品と河本コーチの影響ですね

 

Ⅳ巻まで読んだんですけど
ストーリー構成がしっかりしています
伏線を張ってゆっくりとしっかりと回収していきます

 

個人的に好きなシーンは
Ⅰ巻のタイチ戦
あれは痺れましたわ
高校事変の戦闘シーンはDAYBREAK FRONTLINEを聴きながらだとさらに疾走感が増します
個人的にめありーさんが歌ってるやつがいいですね

Ⅲ巻の陽翔が紗奈を助ける戦闘シーン
あれはもうずるいよね
ここは結構読み直しちゃいますね
BGM?
そりゃ陽翔が活躍するシーンはすべてアスノヨゾラ哨戒班でキマリですよ

陽翔のシーンは全部好きだなー

 

 

 

 

高校事変をすべてレビューしてしまうと
もうブログが終わらなそうなのでこのへんにしておきます

 

 

すすめてもらった本も今度のせます!

 

さっきある推理サスペンス小説を読み終わったんですけど
最高でした
完敗しました。ミスリードとわかってはいたんですけど
でもこれが本筋以外なんかあるの?
あるならみせてみろや
ってところからみごとわからされました

いやこんな推理小説は読んだことなかったですね
比較的最近のやつです
田崎コーチの嫁に貸す予定です

 

 

また読んでもらえるならレビューしたいと思っています